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法人化するなら覚えておきたい「開業費」と「創立費」の違い|会計処理方法も解説
これから法人化する方の中には、「開業費と創立費って何が違うの?」「どうやって会計処理したらいいの?」などの疑問を持っている方もいらっしゃるでしょう。
個人事業主と法人では開業費の計上方法が少々異なるため、個人事業主で会計処理の経験がある方も少々戸惑うかもしれません。
そこで本記事では、開業費と創立費の違いを解説した後に、それぞれの会計処理方法や開業費・創立費にならない費用などについて解説します。
目次
開業費と創立費の違い
法人化すると、支払いが生じた時期に応じて「開業費」もしくは「創立費」に仕訳をします。以下では、開業費と創立費の定義や違いを解説します。
開業費は会社設立後から営業開始までにかかった費用
開業費は、会社設立後から営業開始までにかかった費用です。
具体的には、以下のようなものが該当します。
創立費は設立準備から会社設立までにかかった費用
創立費は設立準備から会社設立までにかかった費用です。
具体的には、以下のようなものが該当します。
なお、設立までにかかる「資本金」は創立費に含まれないため注意が必要です。
開業費と創立費の会計処理方法
開業費と創立費の会計処理方法について詳しく見ていきましょう。
「繰延資産」として計上する
開業費と創立費の勘定科目は「繰延資産(くりのべしさん)」です。
発生した費用は法人を設立した初年度に経費として計上する必要がなく、任意の期間で経費として計上できます。
利益が多く出た2・3年後に経費処理できるため、節税対策になります。
状況に応じて減価償却する
減価償却とは、繰延資産に計上した金額を分割して計上する会計処理です。
開業費と創立費は「均等償却」と「任意償却」のいずれかを選択し、費用化していきます。
均等償却は5年間(60か月)で0になるように償却する方法です。
任意償却の場合は、毎年償却する金額を経営者が決められます。開業初年度に開業費と創立費の全額を一括して費用化することも可能です。
開業費・創立費にならない費用
開業や会社設立前にかかった費用を、すべて開業費・創立費にできるわけではありません。
以下に該当するものは、開業費・創立費にならないため注意しましょう。
1.事務所家賃や水道光熱費など
事務所家賃や水道光熱費など、開業後も経常的にかかる費用は開業費・創立費に含まれません。
これらの支出は、事務所家賃であれば「地代家賃」、水道光熱費は「水道光熱費」のように別の勘定科目で計上する必要があります。
2.後で返還されるもの(敷金や保証金など)
敷金や保証金などの返還されるものは、開業費・創立費として計上できません。
「差入保証金」のような別の勘定科目で計上します。
3.10万円以上の固定資産
1つあたり10万円以上する備品や機械は、固定資産として計上します。
国税庁の「主な減価償却資産の耐用年数表」をもとに減価償却を行いましょう。
4.商品の仕入代金
開業前に商品や材料を仕入れる際に発生した仕入代金は、開業後に販売をして利益を得るためのものです。そのため、開業費や創業費ではなく「売上原価」になります。
開業費・創立費に関するQ&A
開業費・創立費に関するQ&Aを紹介します。
Q1.資本金の仕訳はどうする?
資本金とは会社を設立する際の手元になる資金です。
経営者が持っている手元資金に加えて、株主や投資家から調達した資金も資本金に含まれます。
なお、資本金については「会社法の第445条」で以下のように記載されています。
資本金の仕訳方法は「現金預金」が借方、「資本金」が貸方となります。
たとえば、現預金100万円を資本金にした場合の仕訳は以下の通りです。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現預金 | 1,000,000 | 資本金 | 100,000 |
Q2.資本金から経費を払っていた場合の仕訳はどうする?
会社を設立する際は、資本金を会社の口座に預ける必要がありますが、会社の口座は登記が完了しなければ作成できません。そのため、資本金はまず、発起人個人の銀行口座に預け入れることになります。
しかし、銀行口座の開設が遅れてしまったり会計の知識がなかったりなどのさまざまな理由で、口座に移動する前に資本金から経費を払っていた場合もあるでしょう。
その場合、貸方は「預け金」、借方は支出した費用の内容によって「開業費」もしくは「創立費」として仕訳をします。
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